2023/04/25 13:50
ここは空の上の上のうえの方、とーっても高いリボン雲の木馬の家。木馬の仕事はこの辺りに散らばる数えきれない程の迷子の瞬きをあるべき場所へ届け、役目を終えた瞬きと交換する仕事。
“月星交換士”
風船のように括り付けて毎日高い空から届けます。ここ最近迷子の瞬きが急に増えてしまって大忙し。
「たいへん、たいへーん!今月は大忙しで夜森のネコさんの所へ交換に行くのをすっかり忘れてしまったよ!」
『えーっ!それは大変!早く行かないとネコさんや水鳥配達展の水鳥さんたちに迷惑がかかってしまう!』
通常、瞬きは順番に咲く花の香りを頼りに自分の場所を見つけます。しかし今年は暖かくなるのが早すぎて一斉に花々が香りを纏いはじめました。そのため自分の香りが分からず迷子に。こんな時にのためにいつもならレースのベールをかけて瞬きが一斉に空高く登り迷子になるのを防ぐはずが。。。
『急いでベールをかけないと!私は夜森のネコさんの所に大急ぎで月星の瞬きを届けに行ってくるから君はレースのベールをかけておいて!その後迷子の瞬きも一つ残らずあるべき場所へ届けるから!しっかりまとめておいてね!』
「わかったよ!だけど無理はしないでね。」
『大丈夫!だって大急ぎであるべき場所へ届けないと迷子の瞬きたちは光を失って真っ黒い粒になって落ちてしまう。そうなったら綺麗な花々が汚れてしまう!そうならないように些細な事でも私に出来る事をやらないと!』
小さな木馬は夜森へ月星を届けに行きました。残った木馬もせっせとベールをかけました。
「あんなに頑張られたらのんびりする訳にもいかないな。明日はお休みだから今日は頑張ろう!」
少し遠い白昼森へは桃色の水鳥さんにお願いして先に運んで貰い、なんとか今年の大仕事も無事に終えそうです?